書籍・雑誌

3月に読んだ本

* うすうす知っていた   田辺聖子

短編集。梢は「将来はお嫁さん」が、そのまま大人になったような女。
結婚したい症候群の彼女と正反対に、妹はバリバリのキャリアガール。
しかし、結婚を夢見る彼女を差し置いて妹が結婚を決めてしまった。
彼女の中で複雑な思いが渦巻く。。他、男女の機微や騙し合いなどを描く5編。

今更ながら、関西の女を描いたら、この方の右に出るものはないと思いました。

* 神話列車殺人事件 西村京太郎

トラベルミステリー。1983年初版刊。探偵の日高は、同僚の女性と結婚。
彼女の希望で高千穂に新婚旅行に行くが、花嫁が途中で消える。

警察も真剣になってくれず、失意の内に職場に戻った彼だが、出雲に
新婚旅行に向かう途中の列車で花婿が消えた女性からの依頼を受け、依頼者と
寝台列車出雲で調査に向かうが、殺人事件に巻き込まれる。
花婿の足跡を追う内、自分の妻の失踪と神話によって繋がりがあると知り、
再び九州へ向かうが、手を引けと脅迫メッセージが。。

最後で主人公が寝台列車出雲でビールと定食を注文する場面があるが、
宍道湖の夕陽を見ながら食事って優雅だなと。9月だと日没と微妙か?
3月ダイヤ改正で北陸も廃止、寝台列車も少なくなりました。。

* 本所深川不思議草子   宮部みゆき

本所七不思議に擬え、岡っ引きの回向院の茂七親分が活躍する、7つの江戸人情話。
「片葉の芦」は、料理屋の娘にほどこしを受け、家族共々窮状を助けられた少年だが、
娘の父の厳しい言葉で貰えなくなる。成長して蕎麦屋に奉公する彼、ほどこしを受けた
お嬢さんが父親殺しの嫌疑を掛けられたと知り、義憤から調べ始める。
厳しくて金にうるさい料理屋主人の本当の顔が見えた時、誰が正しかったか知る。。

物を与えるだけのほどこしと人助けの違いが考えさせられる話。

* こいしり   畠中恵

お江戸人情話&ミステリー。「まんまこと」で幼馴染のおゆうと許婚のお寿々の間で揺れる、
町名主の息子の麻之助だったが、おゆうは人の妻、やっとお寿々と結婚の日が、おゆうの夫が
亡くなり、またしても微妙な雰囲気。。百物語の話では、遊び人の彼にしては珍しく、
悪党を罠にはめ、アクションシーンも。

幼馴染も男女だと、自分の前で親しく話されては妻は心穏やかでないかも。

* 池袋ウェストゲートパーク Ⅶ Gボーイズ冬戦争  石田衣良

池袋の果物屋の息子だが、警察やギャングや組とのつながりを持ち、池袋のトラブルシューターとしての顔が
有名になったマコトには今日も難題が持ち込まれる。

Gボーイズの王、タカシに次ぐヒロトの派閥のチームが次々に襲われた。ギャング内抗争と思われたが、
池袋の裏の利権進出を狙う新手の組が関わっていた。人脈を駆使して調査するマコトだが、敵がやとった
アサシンの「影」が襲ってくる。昔の事件の関係者の復讐もあって窮地に陥る彼だが、打開策はやはり
人脈と頭脳戦。

マコトも組の若頭のサルもギャングの王タカシも、男だけで花見など、心の底では育った街を愛している。
しかし、武闘派の3人の花見、傍目には怖い眺めに違いない。

* 池袋ウェストゲートパーク Ⅷ 非正規レジスタンス  石田衣良

社会派の色彩が強い作品群。気風のいいマコトの母親が依頼人になり、シングルマザーを風俗への罠から救う話では、
マコトの母親の過去の苦労話も少し。表題の作品は、問題になった日雇い派遣の労働者のユニオンを作った女の子
からの依頼。ユニオンメンバーが襲われた事件の潜入捜査で、倉庫の荷運びと掃除に。普段は果物屋のさえない店番で、
自分が社会の底辺と思っていたが、もっとひどい世界を知る。法律違反の証拠を掴んで社長に対峙した時、依頼人の彼女の
意外な正体があかされる。

どんな事件に関わって居る時も、果物屋の仕事はしっかりやる彼。暴力や陰謀の黒い話の中、店にハッサクやイチゴを並べて
クラシックを聞く風景が、一服の清涼剤。

* 絵小説   皆川博子

人魚のような美しい女と出合った幼児が、同じ顔のマネキンを見て驚愕する話や、転生の記憶がある女が
15までの生の中で経験する同じ男との様々なシーンでの出会い、など、不思議な大人の絵本。
宇野亞喜良の幻想的な絵とお話がマッチして印象的。

* 愛のいない部屋  石田衣良

神楽坂のハイソな高層マンションに住みながら、満たされない思いを抱える人々を描く。
池袋~とは違い、大人の愛や悩みが引き起こす悲劇。作者さんには珍しく、結末が
バッドエンドのが。やっぱり個人的には池袋~のシリーズの方が共感できる。

*****           *****          *****

去年12月下旬に実家で緊急事態発生後、介護認定が済んで事態は好転しかけたが、3月中旬にさらなる緊急事態発生、そして4月には介護に当たっていた側が亡くなる最悪の事態でこちらには書き込めなかった。バスで通っていたので、本は読めたのですが。。なので、3月は画像で紹介できる近況はなし。

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2月に読んだ本

* 流星のごとく 御算用日記 六道慧

お江戸ミステリー。御算用者として鶴見藩に潜入した数之進。今回の密命は、農民の逃散が頻発しているのに、なぜか江戸詰め藩士は吉原に繰り出し贅沢三昧。一方、金に目が無い彼の姉達は、富くじサギに遭っていた。関係ないと思われた2つの事件がリンクする時、人命が失われる危機に。

バブリーなお金と縁を切るのは、なかなか大変なことかも。

* まことの花  御算用日記 六道慧

お江戸ミステリー。御算用者の数之進の今回の潜入先は、前藩主の亡霊騒動や藩主の狂言三昧、姿を現さない正室、とかく噂の吉田藩。黒い噂の裏には、本家筋の藩が合併を企んだ陰謀が隠されていた。一方、姉が気軽に引き受けた相談事、「一両で花嫁衣裳を」を持ち込まれたが。。

和紙の着物、本当に暖かいという噂は聞いたけれど、実際はどうなのだろう?

* エンブレムは葵  吉岡平

SFのような青春アクションのような。。現代も江戸・徳川の時代が続いていたら、という設定。ロックコンサートで、暗殺未遂事件に巻き込まれた羊羹屋の娘、環。知り合った御三家の若、爽次郎や彼のライバルの量馬まで巻き込んで、現代と江戸が交錯するドタバタ恋愛騒動の裏で、将軍暗殺やお家騒動勃発!パラレルワールドがちょっと登場するところはSFテイスト。

将軍候補がみんなイケメンで、徳川だからT4って。。(^_^;)

* スチームパンク  吉岡平

アクション&SF。惑星ジャンキーレオでは、飛行機の飛べない空と豊富な石炭のおかげで、地球では滅びたSLが主な交通機関になっていた。機関士のケイと旅人のクリントは闇の組織に追われる女、ティナを助けたことから、組織に狙われ逃亡と戦いに巻き込まれて行く。

砲撃や白兵戦など戦争物みたいなアクションなのに戦車でなく、蒸気機関車というのが面白い。
のどかなムードの機関車ですが、間近で見ると結構パワフルで、アクションもありかなと。。

* 彩雲国物語  黄梁の夢 雪乃紗衣

今回は外伝。悲運の皇子、清苑が宮廷を終われ山賊に囚われ、逃げて紅家の家人になるまで。
燕青が家族を失い、死の寸前で師匠に拾われ、茶州の官吏になるまで。
薔薇姫と凄腕暗殺者・黒狼の出会いの3本。
彩雲国以前の伏線が徐々に全貌を現します。外伝ながら、一家惨殺とか重い話ばかり。

* レイン 雨の日に生まれた戦士  吉野匠

ファンタジー。平民から取り立てられた戦士レインは、サンクワールの騎士。
大国に攻め入られた国王の招集に遅刻した彼は謹慎を命じられるが、
内部に寝返りがあり、国王は戦死。姫はレインの元に逃げる。

数をたよりに領内に攻め込む敵軍に、レインの魔剣がうなる!

* レイン 雨の日に生まれた戦士 3 -シャンドリス、侵攻す- 吉野匠

上の続きの続き。隣国のシャンドリスの女王が突然レインを訪れるが、短い会談で帰り。。
が、彼女はレインの実力は認めたものの、サンクワールが王女派と貴族派に割れているのを機に、
貴族派が乗っ取った王城を攻める。レインは静観するのか?王城を囲む女王の意図は?
今回の敵は大国ザーマインではないらしい。

相変わらず、レインもてまくってます。(^_^;)

* 「ナナフシの恋」 著:黒田研二 読了。

投身自殺を図り、現在意識不明の級友からのメールで集まった6人。ありえないことで、からかい半分かホラーか?送り主の女の子について印象が無いことに愕然とする彼ら。彼女について個々に知っていることを話す内に、何故彼ら6人が集められたのか、推理していく。最初ホラーかと思えばミステリー。彼女は本当に自殺未遂か?6人を集めたのは?

男の作家さんなのに女の子の心の動きや恋の機微をうまく書いています。

* MAMA   紅玉いづき

ファンタジー。「ミミズクと夜の王」と似た時代、魔法と魔物の存在する世界。トトは魔術学校の落ちこぼれなのに、封印された魔物のきまぐれで契約を結んだ彼女は、強大な力を得ることに。しかし、彼女を殺して魔物の力を得ようとする凶手に狙われ次第に居場所を失う。一方、彼女に取り付いた魔物にもある凄惨な過去が。

魔物の命名が「ホーイチ」ってちょっと笑えた。後日談の「AND」も掲載。
そして誰もいなくなる終わり方にならなくて大団円を迎えるのは読後感が良い。

* 人間ゆめみました  吉岡平

ファンタジー&アクション? 陽一は旅行先で市ごと魔物の結界に閉じ込められる。魔物の世界の異端監察官の2人と知り合い、13体の魔物の人喰いを食い止めるため戦う。ちょっとお色気あり、挿絵もノーブラだったりしますが、なぜかアクションがすごく多い。

この作者さん、ついつい自衛隊の火器なんかの描写に力が入ってしまうようです。

* S力人情商店街 1-4巻  令丈ヒロ子

喫茶店の娘、茶子の店には、同じ商店街の幼馴染の男の子がいつもたむろしている。だらだらの彼らに祭りの日、商店街の守り神の塩力様により、商店街の危機限定のしょぼい?超能力を授かる。防衛隊を結成して盛り上がる彼らは、放火犯人を逮捕?が、彼はもう一人のメンバーだった。商店街の為に働く彼らだが、茶子の役目は商店街や他人の人生を左右する大きな難関が控えていた。

地方に行くほど車で郊外のモールに行き、商店街が元気なところって少ないような。
逆に東京で中野あたりをうろうろした時は楽しかった。

* 幽談   京極夏彦

ホラー短編集。”何か”恐いものがいるというサイコホラー的な話から、ベッドの下に顔があるという妖怪っぽい話など。スプラッタがあまり無いが、読んでいるうちに後ろに何か妖物がいそうで、じわじわ怖い。気持ち悪いのは「成人」の箱の中身のどろどろしたの。中身は魍魎?

***         ***         ***

3月に中旬に緊急事態が勃発したので、やっと更新可能に。

2月は久しぶりに富士川と浮島の探鳥会に参加した。
コチョウゲンボウが電線に停まっていて、普通のチョウゲンボウと見間違える。

後は、駿府公園の梅を見たくらいか。。

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最近、外食しなければならないシーンでは、節約してガストか牛丼屋。
しばらく前にジョナサンが1軒できて味が気になったので、食べてみた。

朝食メニューなのであまり違いはなかったが、パンが美味しかった。
また、サラダのドレッシングにハーブやスパイスの香りと味をちゃんと感じた。
100円ほどの差は、、まああったかな。

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1月後半に読んだ本

* ケルトとローマの息子   ローズマリー・サトクリフ  訳:灰島かり

ローマ時代のイギリスのケルトの村で、ローマの難破船から拾われた子供べリック。里親が反対する村人を説得して救われた彼だが、頑張ってもよそ者として扱われる。狩人として仲間も出来たが、冷害の年に彼のせいにされ、村を追われる。だまされて奴隷としてローマに売られ、冤罪でガレー船に送られ、辛酸を舐めるが、ある男に出会ったことで少しづつ元の自分を取り戻す。

後半かなりの部分まで岩窟王を思わせる重い話ですが、復讐というより安住の地を求めて自分探しというのがテーマっぽい。後半は堤防を築いたプロジェクトXっぽい。イギリスには台風はなさそうですが、嵐がすごいと知った。

* 幻色江戸ごよみ   宮部みゆき

ファンタジー&ホラー&人情話中編集。お江戸の闇の中で息づく異界の者たちが、人間の心の弱い部分に忍び込む。それに飲み込まれ自滅する人。逆に噂を利用して、商売するもの、本当の自分を隠すもの、道を説くもの。あんどんの暗い灯りの中で様々な人間模様が生まれる。

一家が幽霊にたたられて、美醜の見え方が逆転した一家。「器量を望まれて」嫁いだぱっとしない見た目の嫁が幽霊と対峙し、見え方が元に戻れば自分のような女は離縁されると心配しながらも、たたりを晴らすお話が人情たっぷりで面白かった。ただ、芸能界など見ていると、糟糠の妻を捨てて綺麗なタレントに走る男も多々見受けられ、現実でもハッピーエンドになるかは微妙。

* 絶叫仮面   吉見知子

青春小説。「夕暮れに現れ、叫びを聞いたものは死ぬ」絶叫仮面の都市伝説のブログやチャットを開設する沙月。本来のものぐさでボーイッシュな自分を隠し、好奇心旺盛でかわいい女の子を演じ、一日中ネット三昧。しかし、絶叫仮面を見たという少年「楓」が現れ、都市伝説も沙月も徐々に本当の姿が見えてくる。そんな時、絶叫仮面の叫びを聞いてしまった沙月に残された時間は?

ネットの自サイトでちやほやされ女王様になっていたヒロイン。騒動の末、本当の愛や友情に気付く。リアルワールドで気に入らないこともする友人や妹を折り合いをつけながら生きていく道に戻れた主人公は幸運。あと、鉄橋の線路の上を歩いていくのは「スタンド・バイミー」を想像しました。

* ジャンクガール・ジグ   日日日

アクション&SF。別次元のモンスターを召喚する技術「怪造学」。悪用する一味と取り締まる側の「執行部」の戦い。主人公の滅作は人体実験でモンスターを埋め込まれた生体兵器の女の子、ジグを保護する。彼女の奪還を宣言した悪の組織との息詰まる戦い、自身もモンスターと共生する主人公と部下の女の思い。ところどころに猫耳少女とか、スク水とか、女王様などちりばめながら、作家さんはえっち系は苦手みたい。

あとがきに寄ると、変なおっさんとひねくれた女と壊れた少女のお話だそう。主人公の部下の美女で冷たい(ツンデレ?)宇宙木は男性にとって魅力あるのかも。

* 異邦人   吉野匠

SF。高校生の剛は、自分がキャラを応募&当選したネットゲームにはまる。相棒「イヴ」とともに、難敵の「レイン」に挑む毎日。ある日、街で銃撃戦に遭遇、イヴそっくりの女が現れ彼に銃をつきつける。彼の説得に茫然自失、突然記憶を無くした女をアパートに連れ帰る彼だが、記憶はなかなか戻らない。国の秘密組織の「持ち物」だった彼女に奪還の手が伸びる。しかし、何故彼女は自分の考えたゲームキャラと寸分違わないのか。実は、平凡な高校生と思われた剛にも重大な秘密が隠されていた。

ラストは「七瀬ふたたび」ほど悲惨ではないが、異能者の共生への戦いは長い道のりなのか。

* 星星の火   -御算用日記-   六道慧

お江戸人情話&ミステリー。各藩に潜入して内偵する幕府御算用者。数之進は一角と組み、重臣が次々と不審死を遂げた春海藩江戸屋敷に潜入。重臣の家督を継いだ少年達がけなげにも若君を守ろうとするのを手伝い、意外な切り口で騒動の張本人をあぶりだす。怪しいのは2人、どちらが首謀者なのか?そんな折、数之進が斬られた!残された証拠は本物か?

切れ者の主人公が姉2人の前では頭が上がらなかったり、長屋での「金魚の飼育法」という一見関係ない相談事が、事件とリンクしていくのが面白かった。

* 青い鳥   メーテルリンク

子供の時、絵本で読んだのを忘れて再読。演劇だったのか。チルチルとミチルが帽子のダイヤを回して、思い出の国や夜の宮殿や生まれる前の子供の国に行くのは覚えていたのだけど。猫が裏切りキャラで、犬が忠実なのに陰謀によって遠ざけられるかわいそうなキャラだった。砂糖やミルクは添え物?ミチルがあんまり活躍していなかったのが記憶と違った。 

***          ***          ***          ***

御前崎に行った。ミユビシギは見られなかったが、シノリガモのペアがいて、オスが綺麗だった。

灯台の下まで足を伸ばす。

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オオハムとヒメウのおまけ。
風はとても冷たかった。

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道沿いはアロエの花ざかり。

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なぶら市場に寄って、魚じゃなくイベントブースの地場野菜の大根と小松菜購入。
おでんにして美味しかった。

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1月前半に読んだ本

* 竜の夢見る街で 2   縞田理理

はるか昔、相棒の魔術師ケビンの呪いで人間にされた竜、キャスパー。竜に戻りたい彼はケビンの生まれ変わりを探し現代のロンドンに。良く似た記者の青年コリンと知り合い、彼が巻き込まれた事件で一時的に竜に変身できて助け出すが、彼が本当に生まれ変わりなのか確証が無い。

今回はキャスパーが、コリンの住むテラスハウスを訪れ、風変わりな住人達と交流、酒のせいで本性も見られるが、気にしない彼らを心地よく感じるところまで。3巻に続く異能をもつ子供の登場も。しかし住人のコック、アーウィンの作る料理は本当に不味そう。この作者のイギリス料理は別の作品で、トライフルなど美味しそうなのもかなり紹介されているのですが。。

* ブルーハーツ   前川麻子

主人公は恋愛に踏み出す若者、それに戸惑うOL、スターを夢見上京した少女、いじめられる少女、教師など。9篇の東京に暮らす人々の恋や不安、悩み。他人には風のように軽いことだが、主人公の側に立てば切ないお話ばかり。そんなに東京って暮らしたい街?

* 流しの下の骨   江國香織

無職のヒロインと両親、2人の姉、弟の家族の暮らしの中の、自分達は普通と思っている変な家族の日常の小さなできごと。流しの下の骨、ペロー童話のテーブルの下で骨をしゃぶるのを連想したが、かちかち山のたぬきに殺されたおばあさんの骨だったのか。 奥付が10年くらい前なので、バブル崩壊後の不況中だったはずだが、ヒロインは無職なのにあちこち出歩いてレストランとか楽しんでいる。金持ちだから、ちょっと変な家族でも(他人の産む子供を引き取って育てたい娘の意見に賛同したり)シビアにならなくても良かったのかと。

ただ、その家の流儀や価値観みたいなのは結構違いがあるみたいで、潔癖な人が家ではトイレのドアを開けていないと用を足せなかったりする話をテレビで見ました。そこまででなくても、人の家にお邪魔して、例えば台所やトイレに踏み入ると、その家のやり方に合わせるのに気を使う。

***          ***          ***          ***

日帰りでは動けるようになったので、ガンカモ調査に参加。大谷川をお手伝い。

コガモばっかりでつまらなかったが、途中ヨシガモやカワセミがでて盛り上がる。

あと、期間の後半に八ヶ岳方面に行った。

途中の平地からかなり吹雪いて来て、清泉寮には寄らなかったが。。

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12月後半に読んだ本

* ユーフォリ・テクニカ   定金伸治

SF&ファンタジー。真空と水を使ったエネルギー、「水気」。ネルは東洋から研究員としてエーレ国に招かれるが、差別が激しいこの国では、東洋人の助手になろうという者はいなかった。一人応募してきたのは、感情の激しいエキセントリックな少女エルフェール。他の研究員の妨害もあったが、彼女が本当は王女だったことで、他国との外交問題もはらんだ大事件に発展していく。

戦争に使えそうな技術を花火の為に研究というのがいい。今の日本では予算カットされそう?

* ミイラ獲りのバラード   光瀬龍

最後の方の薬が若干SFの他はミステリー&バイオレンス。西村寿行もかくやという感じ。主人公はヤクザの弟分。アフリカの内戦に車を売る闇の商売。ある日、だまされて違う相手に渡し、兄貴分に拷問され、取り戻しを命じられる。ある富豪の息子の失踪事件にも関わりながら、2つの事件が続発する失踪事件に関係すると突き止めた彼に、悪の組織が襲い掛かる。SFじゃなかった。。興味のある分野でなくて残念。

* 怪男児   夢枕獏

格闘&バイオレンス?ホラー?「あやめ」というかわいい名で少女マンガ家志望なのに、巨大でマッチョなチェリーボーイが引き起こす不器用な恋愛がらみの騒動と、裏で暗躍する振興宗教との対決。女の子と話すのに赤くなる純情さと敵を引き裂くバイオレンスの対比が秀逸。でも性的な表現が多くて女性にはちょっと。。

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ひとつ前の記事に描いたように諸事情で18切符もキャンセル。
年末年始の旅行にも行けず、携帯にあった画像は青葉シンボルロードのイルミネーションくらい。

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12月前半に読んだ本

* 狗王   吉岡平

SF?動物園のメスのオオカミが山に逃げて大騒ぎになるが、自分で戻り収まるが。。彼女が生んだ子供達はオオカミとも犬とも違うモンスターだった。新聞記者の父とともに動物園を訪れた8歳の紗奈恵は、子供の1匹「タチ」と仲良くなるが、園長が襲われたことからオオカミ舎は閉鎖、子供達はなぜか軍に引き取られる。実は彼らは軍部の生物兵器の秘密実験個体と狼の子供だった。さらに実験を重ねるため、唯一タチがなつく紗奈恵も軍部に狙われる。研究所から逃げ出した彼らに精鋭部隊が迫る。

色々なお話を下敷きにしながら、独自の視点で息をつかせぬ急展開で楽しめました。作者さんは「銀牙」評価高くないようですが、個人的には高橋作品好きです。ジャックロンドンは「野生の呼び声」を何度も読みました。日本の作家では椋鳩十とか戸川幸夫。

* サンタのおばさん   東野圭吾

童話絵本。世界各地にサンタが居て、必要事項はフィンランドに集まって会議で決める。会場へ急ぐイタリアサンタが村はずれで出合った女性は、なんと次のアメリカサンタ候補。「ひげはどうする?」「前例がない。」かんかんがくがくのサンタ達だが、彼女の暖かさが皆の心を溶かす。聖夜には彼女にも贈り物が。。

クリスマスにふさわしいハッピーなお話。↓のガリレオと全く違う世界。

* 予知夢   東野圭吾

ミステリー。探偵ガリレオシリーズ。帝都大物理助教授の湯川の元には、刑事の草薙によって、今日も難事件が持ち込まれる。5本の一見霊視や予知夢、ポルターガイストと思われる現象を湯川の鋭い推理が読み解く。「予知る」は、予告自殺の裏で蠢く殺人計画を暴く。湯川が暴くトリックを毎回考える氏の才能はすごいと思いながら読みました。

* 黒衣の騎士   水野良

ファンタジー。TRPGやパソコンゲームなどでもお馴染みの、ロードス島戦記とクリスタニアの世界の間が埋まった。黒衣の騎士アシュラムがダークエルフとともにマーモ帝国の騎士から漂流民の王となるまでを描く。パーンやディードなども敵の名前として登場。ロードス島戦記が人間側からの物語ならこちらはダークサイドからの視点。視点が変れば善悪も逆転。本当の悪は?

* ZOO   乙一

ホラー中編集。「カザリとヨーコ」は、双子の姉が、母と妹にいじめられて復讐を謀る。梅図作品の「おろち」を思わせる恐さ。復讐というと男はバイオレンスに走りがちだけれど、女の方が周到で陰惨。他、下水溝の中をバラバラ死体が流れて行く「SEVEN ROOMS」も13金のジェイソンを彷彿とさせる気持ち悪さ。

他の本で、あとがきに暗いイメージの気弱風なことを書かれています。Twitterを読むと、自主制作映画を上映したり、かなりエネルギッシュに活動されている様子。

* カラクリ荘の異人たち 3  -帰り花と忘れ音の時- 霜島ケイ

異界と現世を繋ぐカラクリ荘。門番役の大家を始め、下宿人は異界から入り込む妖怪を取り締まる役人やら、異界に修業に出る職人やら、変った連中。普通の高校生の太一は翻弄されてばかり。異界の町の方に迷い込んだ彼は、溶けた雪女に憑依されてしまう。雪女に花が見たいとせがまれるが、季節は晩秋。花に詳しいレンとはケンカ中。その上、義理の母からまずいクッキーを送られ悩むが、雪女との会話で、やさしい気持ちを少し取り戻す。異界は恐ろしい妖怪の棲家だが、都会では忘れられた人情が残っているような。

今回謎のタカハシさんの正体が判明。お客さんが落ち武者ってすごい。

***          ***          ***

と、諸事情で記事のアップをしばらく停止していました。

趣味の会の望年会の3次会まで行った。
支部報の取材が無いと、純粋に楽しんだりつまらない時は隣としゃべれる。

相変わらず、2次会の料理がうーん・・??飲み放題付だと多くは望めないが。

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11月後半に読んだ本、近況

* ハートの国のアリス -時計仕掛けの騎士-   小牧桃子

ファンタジー&ラブロマンス。「不思議の国のアリス」を土台にしたお話。カードの最中にうとうとしたアリスがうさぎ耳の男にハートの国に連れて行かれ、怪しい薬を飲まされるところまでは同じような展開だが。。ハートの国はキングやクイーンなど役付きの人々と、役無しの人々に階級の差があるどころか、役無しは殺されても文句がいえないほど。また、城同士やマフィアとの抗争もあり、かなりぶっそうなところ。早く元の世界に戻りたいと思いつつも、危ないところを守ってくれるエキセントリックな騎士のエースに惹かれていく。帰る道が開いた時、彼女は。。

コミックスとのコラボだそうで、話の進行より2人の微妙な心理描写がやや多かったか。ところで、市立図書館で借りたこの本、234Pまでしかなくて、「ページ欠」のラベルが貼ってあった。多分、コミックスのファンが前後のカラーイラストページを盗んだ?許せない!しかも、終わり方が続くっぽいので、お話の部分も本当はエピローグがあったのか気になる。

* オーロラ交響曲の冬   山口泉

主人公は、諏訪湖を思わせる星湖を望む星市の小6の少年。彼は友達の深雪、銀林とともに「オリオン三重奏団」を結成して、病院の集会室で練習していた。ある時、その病院に北欧から原発事故で被曝した小児患者が治療に訪れる。何ヶ国語も話せるビェッガの助けで、同じ年なのに天才作曲家として有名なマリクとも友達になる。

彼らを取材するテレビ局への反発や、大人の思惑、ビェッガの語る放射能汚染の実情、銀林の秘密などに悩みながらも、彼らとの交流を経てハクチョウや湖の自然も交えて、一歩大人になる主人公を描く。

太鼓の曲は単調だけれど、直接体に響いて、言葉がいらない全世界共通の楽器。

* 風と共に去るぜよ   吉岡平

「風と友に去りぬ」のコメディ版?坂本竜馬が本当は日本を脱出して渡米。南北戦争の時代にレット・バトラーやスカーレットと知り合いになっていたという設定。そこは、豪快な竜馬のこと、出来たばかりの潜水艦でスカーレットを助けたら告白されたり、敵の潜水艦と魚雷戦になったり、SFか?というドタバタぶり。

差別がひどい南部で、持ち前の豪快な性格で人種を問わず友達を作り、事件を解決するのが痛快。

* シンデレラの魔法が消えぬ間に   吉野匠

SF&サスペンス。衛は中3の男の子。特殊な初恋の想い出から、新しい恋に踏み出せない。友達が開設したチャットの隠しページの同じ学校の女の子と知り合う。彼女「葉月」は、か弱い美少女で礼儀ただしく奥ゆかしい。ところが、彼女の知り合いの評判は最悪。どうやら交通事故で入院した前後で性格が変ったらしい。友人の匠の協力で調べた先には、とんでもない事実が。そんな矢先、彼女が誘拐される。彼は彼女を守れるのか?

車で研究所に突っ込んだり、激しい展開ですが、根本の部分は恋物語。

* 六番目の小夜子   恩田陸

ホラー。雅子や秋が通う高校には、「サヨコ」と言う学校の恐い話のような言い伝えがあった。3年に一度、前代のサヨコから時代の誰かにカギが渡され、新しくサヨコになったものは皆にばれないように花を飾ったり、文化祭に関与する。その年のサヨコになったはずの人物が謎の入院、鍵を託された秋は、サヨコの秘密を探り始める。二番目のサヨコと同じ名前の少女が転校してくるが、彼女もサヨコなのか?彼女の動向を見守る秋にも災難が降りかかる。

学校独特の雰囲気や暗黙のルール、「鏡に死んだ子が映る」とか都市伝説みたいなもの、何故かすたれず受け継がれて行くのが不思議。

* 魔女の宅急便   角野栄子

アニメの方を最初に見ていたので、ムーミンなどのように、原作は静かなお話かと思えば。。とんぼさんはキキのほうきを偽物と取り替えるし、キキも走る列車の天井から忍び込む(アニメでは停まっている貨物列車に雨宿り)など、なかなかアクティブで現代っ子。挿絵はモノクロなので、キキのリボンはアニメの赤がかわいかった。

***          ***          ***

週末を2回使って、葉が落ちないうちにポプラを剪定、枝葉を次週清掃工場に持ち込んだ。
のこぎりを使ってかなり疲れた。
道に面してなければ、もう少しで紅葉が綺麗なのに残念。

11・23は富士山方面にドライブ。

静岡付近では雲ひとつなかったが、道の駅朝霧でマロンアイスを食べるころには曇ってきて、少し山頂の雲はとれたけれど、本栖湖でもやっとこの程度。休日でダイヤモンド富士を狙うギャラリーは沢山いましたが、待ちぼうけの確率が高そう。その後R52に抜け、つむぎの湯で疲れを癒して帰った。

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11月前半に読んだ本と近況

* ギロチンマシン 中村奈々子 <大人社会編>   日日日

SF&ラブコメディ?環境悪化で崩壊寸前の地球。人々は人工冬眠に付き、少数の科学者が「第二地球」で人間もどきとロボットを使い、全滅を防ぐ為の実験を行う。6回目のスタッフ、中村奈々子が人格を持ったメインコンピューターに乗っ取られたのを気づくが、ロボットに殺されそうになり。。

男の子・殺人マシン・赤ずきん、3人の同じ顔を持つ「中村奈々子」が押し寄せるロボットと戦いながら、真実の敵に迫る。前3作は、義務教育編とか学園物テイストでしたが、人間の秘密基地や巨大化した3回目のスタッフ「中村珊瑚」が登場するに至り、お話はSFに向かいそうな気配。

* よろづ春夏冬中   長野まゆみ

雑誌掲載の短編集。ホラーから、少年ラブっぽいものまで様々な小説が楽しめる。「希いはひとつ」では、いわくつきの格安アパートに引っ越した主人公の元に、「引越しの時、忘れ物をしただろう。」と、前の部屋の新入居者を名乗る男が頻繁に訪れる。それらは、以前無くしたり忘れたりした懐かしいものばかり。その中には、姉から貰った「願のかなう箱」も入っていた。無くした箱の鍵を探り当てた時、彼の正体が。。

不条理な世界みたいなのが得意の作者さんらしい作品が並びます。

* 妖怪変化   京極堂トリビュート   8人の共著  

ホラー&ミステリー。小説現代のメフィスト別冊だったらしい。「魍魎の匣」他の京極作品の設定や世界を借りて、小説や映画、漫画の原作、漫画、噺家とジャンルの多様な人達が書く京極世界。京極作品は読み込んで無いせいか、世界感をあまり利用していない、西尾維新の「そっくり」の、自分は本当に自分なのか?というサイコホラーなどが面白かった。借りたのは、著者に諸星大二郎の名前があったからで、「百鬼夜行INN」は、もうほとんど100%妖怪ハンターとして楽しめました。

* エレキ源内殺しからくり   米村圭伍

装画が、「しゃばけ」の柴田ゆうさんで思わず借りました。作品は、お江戸ファンタジー&ミステリー。源内が本当は傲慢な人物で、犯罪にも加担していたという設定。源内の隠し子の水芸人のつばめが、母の死ぬ直前に源内から受け取ったカエルの根付と歯の欠けた櫛には、将軍の若君暗殺に関する秘密が隠されていた。同僚の千草も本当は大奥の要人の警護役だった。真相を探る2人に敵の魔の手が迫る。源内がカラクリを隠した洞窟でピンチに陥ったつばめは。。

敵に捕らわれて逃げたり、カラクリの謎を解いたり、面白くてするする読み進められたのですが。。江戸弁で気風のいいつばめの行動を説明する文章が何故かですます調で、折角のスピードが減速するような気が。。だった調の所もあり、どんな効果を狙ったのか?

* カミングアウト   高殿円

さちみは携帯によって、リコ、カオリ、ニーナ、名前とキャラを変えて援交に走る、将来の為?実は本当の自分が嫌いだった。ある日、客を装う男に金をすられる。同じように人には言えない趣味を持つOLのリョウコ、「お母さん」だけで人格が無くなったとなげく主婦の史緒、独身貴族と言われながらも将来の不安から墓を買う井原、夫婦の会話もなく熟年離婚を画策する初恵、水面下で淀み息詰まっていた彼らが互いに知り合うことで、それぞれの突破口が見えてくる。

それぞれの章は暗澹たる気持ちや追い詰められて尻切れトンボ?と思ったら、最後の章で解決。読後感が爽快。

***          ***          ***

10/31と11/02に大道芸ワールドカップに行った。

布を使っての演技の外国の方、腕と足がたくましい。
メイクも女戦士のようでかっこ良かった。

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食べ物は、富士宮やきそばなどは多すぎて、どこも暇そうだった。焼津魚センターから出店の、まぐろ丼やつみれ汁などに人気が集まっていた中で、まぐろの尾肉の唐揚げが珍しかった。真ん中に骨が。

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あと、アルゼンチン料理のミートパイ風のエンパナーダも美味しかった。

11/07はオフ会で上京。久しぶりにロマンスカーに乗った。舎人線は初めて。

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10月後半に読んだ本

* きれいになりたい   小森クスコ

加奈は高校生の普通の女の子。友達は沢山居るが、なぜか恋とは縁遠い。ある日、学年一のイケメン君からキスされる。罰ゲームと言われ怒る彼女だが、ライバルの出現や友人の忠告も逆効果、まめで優しい彼に夢中になるが。。彼の裏の顔はとんでもない束縛男だった。暴力までふるわれた彼女は?

恋愛中って、「あなたしか見えない」。友達の意見が聞けた時には、もう冷めている状態。

* 蹴りたい背中   綿矢りさ

陸上部に所属、一見普通の女の子のハツだが、以前からの親友が別のグループの女子と行動しているのに反発、孤立してしまう。自分と同じく実験グループ分けで余ったオタクっぽい男の子を、自分はこいつよりまし、とばかり観察しに家までついて行く。親友からは付き合っていると思われたが、彼を見ていると気になるが、恋愛感情ではなく、同属嫌悪のような複雑な感情が渦巻くハツだった。

それでも、彼女には新しい人間関係を構築する次の一歩だったのでは、と思えました。

* 楽園まで   張間ミカ

ファンタジー。トクマ・ノベルズEdgeの新人賞受賞作品。核の冬を思わせる、雪が降り続ける世界。人類は緩やかに滅びに向かう。世界は教会によって支配されていた。中世の魔女狩りのように、教会のエスパー狩りに遭い、ひたすら逃げる姉弟が主人公。しかも、弟のユキジは親代わりの男が処刑されたショックで心が壊れてしまう。姉のハルカは弟の手を引き、時には心ある大人に助けられ、楽園を探す。だが、彼女たちに教会の「狩人」ルギが追いついてしまった。

サイキックの電撃とかの部分はSFテイスト。

* さよならスナフキン   山崎マキコ

パソコン雑誌掲載の小説。最初の大学で不登校になり、別の大学に入り直した大瀬崎は、新しい大学にもなじめず、両親の不仲で子供の頃からの孤独感を引きずる。自分の居場所を求める彼女は、アルバイトを決意し面接した編集プロの社長に気に入られ、ビシバシ鍛えられ、本の執筆など期待され舞い上がるが。。アルバイトなのに、長時間のサービス残業など体も精神もボロボロ。実は、社長は自分を信頼している訳でなく、単に営利主義&利己的だと気づいた時、彼女は。。

題名は、「ムーミン谷の夏まつり」の、孤児達を世話するはめになったスナフキンが、勘違いで牢屋番に捕まったフィリヨンカさんの留守宅に避難するお話から。心の弱っている時に力強く引っ張って行ってくれる人がいれば、妄信してしまうものかも。

* たゆたいサニーデイズ   村崎友

学園物&ミステリー。2人しかいない弱小部活の合唱部。春休み明けの日、こずえは部活見学ノートにあるはずの無い新入生の名前を発見、先輩の宮本の推理で、校庭の運動部に好きな子がいる女の子が音楽室に入るための口実と落ち着くが。。別の委員会の用事で部室棟に行き、盗難事件・謎の小火が重なり謎が深まる。こずえの楽しくも忙しい高校生活を縦軸に、最後の小火を経て、最初の見学ノートの謎も解ける。

淡い恋愛なども交えつつ、宮本先輩の語る推理が面白い。

* 小生物語   乙一

装丁画の方が木から目が生えていたり数倍恐いのでホラーと思い借りたら。。一応ホームページで載せていた日記のようなエッセイのまとめのよう。そこはホラーが得意な作者のこと、どんどん恐い発想が膨らんで。。赤ちゃんの断末魔が聞こえた後、物音が途絶えたり、デパートや映画館に行くだけで、そこは怪しい犯罪や異次元の入口になってしまいます。「普通の」日記・エッセイ部分では、作者の「おじバカ」の部分が微笑ましい。

* 倒立する塔の殺人   皆川博子

ミステリー。大戦中の女学校、総子は空襲で親を亡くし、小枝の家に身を寄せる。小枝が勤労奉仕の工場で親しくなった隣のミッション系女学院のお姉さまが空襲で亡くなる。居るはずの無かった場所で、しかも身元の判らない死体と共に。終戦を挟んで、2人は一時的に女学院に通うことになり、ある1冊の回し書き小説「倒立する塔の殺人」のノートを手に入れ、推理を働かせストーカーっぽい久仁子を突き止めるが、彼女は犯人なのか?リレー小説と実際の殺人事件が交互に鍵となり、複雑に絡み合う。

忘却は罪なり、がキーワード。なにげない一言でも、聞く立場には一生忘れられない怨みも。

***          ***          ***

10月18日には入笠山へドライブ。

大河原湿原は早かったが、カラマツが黄葉して傾いた陽に金色に輝いて綺麗だった。

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あと、10月28日には麻機に行き、風が強くて第一工区では何もいなかったが、
芝原の池の端のところでノビタキの(時期が遅く冬羽でメスタイプ)2羽見られた。

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10月前半に読んだ本

* 彩雲国物語  -黒蝶は檻にとらわれる-   雪乃紗衣

ファンタジー。順調に御史の仕事をこなしていた秀麗だが、紅黎深の解任がらみで、紅家の官吏が一斉に出仕拒否&経済封鎖。当主である、秀麗の叔父も叔母も命じていない。誰が裏で糸をひいているのか?

心当たりを求め、秀麗の父は当主である弟とともに紅家の軍師の里を訪ねたが、そこは滅亡した後だった。急いで王都に戻るが、意外な人物の復讐は既に始まっていた。弱っていた秀麗の体も、体の中の仙が暴走するなど限界を迎えつつあり、事態は急展開を見せそうな、気になる終わり方。。

* いっちばん   畠中恵

お江戸ファンタジー。ご存知しゃばけシリーズ。長崎屋の若だんなは病弱で、妖に守られて暮らす。

「いっちばん」では、日限の親分が無実の大店の息子を疑ったと十手を取り上げられる寸前。若だんなの推理力と妖達の調査で、見事スリのトリックを暴く。「餡子は甘いか」では、菓子修業に出た栄吉が、自分より器用な弟子に追い越されて落ち込むが、砂糖盗人を捕まえてやる気を取り戻す。その影には鳴家ネットワークが?他の3編の内では、塗り壁のお雛ちゃんが薄化粧になって皆を驚かせます。

* こころげそう  畠中恵

お江戸恋物語&ミステリー&ファンタジー。主人公の下っ引きの宇多は、親分の家に居候。娘のお絹は彼に片思いしているようだが、彼には少し前に兄妹同時に水死という不可解な死に方をした思い人が居た。しかし、死んだはずの彼女「於ふじ」が幽霊になって戻ってきた!夜しか出歩けない彼女の助けを借りて、幼馴染の間に起こる事件と恋模様のもつれを解いていく。最後には水死事件の真相も?

この作者さんのお話は、食べ物も調べてあって、どれも美味しそうなのですが、この作品では「そばをたぐる」という表現が、美味しそうに聞こえました。

* 5年3組リョウタ組   石田衣良

小学校の5年の担任の先生のリョウタのクラスは、毎年学年最下位。髪を茶色にしていたり、どくろのペンダントをしていたり、教頭にも煙たがられる。そんな彼のクラスで、教室から逃げる子供が出て問題に。個人指導の間のフォローを会議でうまく言えない彼に代わって教頭や主任を言いくるめたのは、きざで嫌な奴と思っていた隣のクラス担任の染谷だった。彼の教師やPTAとの交渉能力に助けられながら、直球勝負で問題児や問題教師の更正にあたる。クラスもまとまり、学年テストで1位になる為に自主勉強まで始めた子供達だが、リョウタは?

パワハラを受けて心を病んだ教師に言った養護学校の教諭の、「生徒や卒業生の葬式に月3回も行った。」が衝撃的でした。

* ものいう髑髏   夢枕獏

ホラー中編集。チベットの真言士の話から、陰陽師みたいな鬼が出てくる話まで様々。自分の思い出の品ばかり並んだ縁奇堂のプロットは別のお話にも登場。ものいふ髑髏は、高利貸しに苦しめられた女が死んで野ざらしになってまで復讐する恐い話。鬼が出てくる話は百物語の舞台で演じられたそうで、白石さんの口調で語られたら恐さ倍増、一度見てみたい。

* ショートソング   枡野浩一

大学生の克夫はハーフのイケメンなのに、内気。密かに憧れる先輩の舞子にデートに誘われて食事、このまま。。と期待するが、短歌の会に連れて行かれ、しかも彼の役割は、舞子の恋人で浮気な天才歌人の伊賀への当て付けだった。意気消沈する克夫だが、彼の短歌の才能に気づいた伊賀は、嫉妬より彼への興味が湧き、何かと声をかけ始める。微妙な三角関係が始まるが。。

俺様キャラの伊賀と、自信の持てない克夫の位置が、舞子の心の中で上がったり下がったりする心理模様が面白かった。短歌は判らないが、心象風景を歌ったものの方が、景色を詠んだのより入りやすい気が。

* きみの犬です   令丈ヒロ子

ちょっと切ない恋物語&ファンタジー? ピナは女子高生。恋人のサトルは女の子にだらしなく、怒って離れたりするが、誘われるとまた付き合ってしまう自分が許せない。そんな時、合コンで、「ピナの死んだ飼い犬シロの魂が体に同居している」と言う変な男の子、城太に会う。自分と死んだ犬のシロしか知らないはずのことを言ったり、半分犬なのを信じていくピナ。サトルに失望して城太と付き合おうとするピナだが、元は家族であったシロと恋人になれるのか?

失恋した時にやさしく癒してくれる人は、ただの「いい人」で終わりがちかも。

* 夜光曲 -薬師寺涼子の怪奇事件簿-   田中芳樹

SF&ファンタジー。新宿御苑が一瞬の内に枯野に。テロか怪しい団体の薬品か?と何も掴めない上層部を尻目に、警察の参事官のエリート&大金持ちの涼子が部下(というよりパシリ?)の泉田とともに、怪事件に立ち向かう。人食いホタルやハムスターの波。パニックになる上層部だが、一見関係ない地方からの少女の来客が解決の鍵を握る。いつものように、盛大に壊しまくっているのは、犯人か涼子か?女性が読んでも涼子の活躍がかっこよくてファンに。

***          ***          ***

10月10日からの3連休を利用、家族は真岡鉄道のSLとか北斗星やカシオペアなどを撮りに関東へ。私は日帰りだが、午前2時半位に家を出て、川越までは私も一緒に。8時前に着き、早すぎて店も開いて無いので、ホリデーパスを利用して東北線、武蔵野線と乗り継ぎ、始めは新三郷のららぽーとへ。

夢空間のダイニングカーの周りには家族連れや鉄道ファンがいっぱいで、こんな角度から私も。

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画像のダイニングカーは外観のみ見学可ですが、11時に開くのを待って、ステーションキッチンの横の、ラウンジカーの中を見てきました。椅子も豪華、サロンっぽい作りで、一度乗車してみたかった。他の店も色々覗いて、静岡には無い、H&Mも都心の最初の店のように並ぶことなく見られた。(でも、買いたい服はなかった。)フードコートもうろうろしてみたけれど、特に惹かれるのがなくて、これも静岡には無いスイーツのお店で休憩。

戻りに武蔵野線を待っていたら、元北斗星の星のマークの塗装の機関車が通った。

その後、元に戻り川越へ。黒っぽい塗りの蔵作りの町へ行き、名物のいも菓子を食す。

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大宮から京浜東北線に乗り(東北線や高崎線より空いていた。)有楽町へ。ライナスさん の写真展を見てきた。オーロラが緑色の炎のように燃え上がる作品が綺麗だった。

そこからは普通に東海道線で帰る。微妙な睡眠不足、夜立で仮眠するより疲れた。

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