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5月前半に読んだ本

* 笑うヤシュ・クック・モ   沢村凛

ミステリー。同窓会で集まった大学時代の悪友達。家族を亡くしてから引きこもり気味に暮らす主人公は参加するのも気が重かったが、盛り上がり朝まで飲んでしまう。最後の会計の時余った100円でトトを買うことになり、均等にチームを分けてマークする。それが1等に当たって皆驚き喜ぶが、なぜかマークシートは一つ外れた2等。保管していた者がくじをすり替えたのではと、遊びで撮った撮りきりカメラの現像をするが、それは他人のものと変っていて、日光で女が写っている写真ばかり。

6千万がかかっていて、カメラを取り返そうと必死な友人の頼みで、主人公が撮影地での聞き込みなどから、写っていた女、仮称「赤の女王」を探すことに。喫茶店でのウェイトレスの証言で上野での南米の文明展に行くらしいと聞き込んだ彼らは見張りを開始する。しかし、別ルートで糸口が見つかった時には、惨事が。

ヤシュ・クック・モは南米のマヤ文明のコパン遺跡の最下層の墓の主。先祖の墓を覆うような墓を造っていく伝統から、表層の大きなピラミッド状の墓から何層も発掘してやっと彼の墓に辿り着く。写真を取り戻そうと、1層づつはがすように謎解きが進みます。6千万を廻って、互いに疑心暗鬼になるが、彼らの友情は雲散するのか?題名は、謎解きのきっかけになるヤシュ・クック・モの像が上からの光源では笑っているように見えて、実は逆にへの字口の難しい顔という、物事の2面性を表しているのかも。

* 病む月   唯川恵

短編集。しっとりとした城下町の金沢を舞台に女達の情念が悲喜劇をもたらす。「過去が届く午後」が衝撃的で、世にも奇妙な~で取り上げそうなホラーな内容。

久しぶりに会社を止めた同僚、真粧美と再会した東京に住むヒロイン。真粧美とは三角関係で、結局ヒロインが負けて、彼女が金沢に夫と共に越していった過去があり、複雑。しかし、元は真粧美の方が腕のいいデザイナーだったのが、ヒロインが賞を取る程に仕事をするのに引き換え、田舎暮らしに飽きてきたようで。。以前返しそびれたものといっては手紙つきの品物が届くように。最初は暇をもてあました主婦の気晴らしと思っていたが、エスカレートして行き。。最後に届いた「返したいもの」は!

* 夏の夜の夢は幽けし   椹野道流

実在の文士を登場させた時代ホラー&ミステリー。主人公の太宰は、親友の中原から生まれたばかりの息子の枕元に夜な夜な幽霊が立つと相談を受ける。女関係が派手な中原の女ではと疑って泊まった彼だが、実際に幽霊を見、掴もうとするが赤い珊瑚の珠を残して消える。解決しないことに窮した中原は、絶交中の小林に助けを求める。評論家らしく理詰めで解決を計る彼が暴いた幽霊の秘密は?

中原の詩が女の想いと重なって切ない感じを盛り上げています。

* なぜネットでしかヒットは生まれないのか   津谷祐司

様々な事例を元に、最近の出版・放送界の低迷(世界的な不況の余波もありますが)と、携帯小説などネットから生まれるヒットが多い原因をさぐり、これからのヒットコンテンツへ繋がる発想をさぐる。

そういえば文中の指摘のように、テレビ広告も商品連呼や機能説明でなく、イメージやドラマ仕立ての後に、詳しくはHPで、とキーワードのテロップが入るのが多くなったような気がします。ただ、ネット広告の場合ドラマの合間に見てくれるテレビ広告とは違い、”バナーをクリック”か”キーワード検索”してくれないとなかなか商売には繋がらず、企業が無名の場合ユーザーも警戒するので最初のクリックに結びつくのが大変かも。

* ちんぷんかん   畠中恵

今回はいきなり若だんなが火事にまかれて死んだ?目を覚ますと賽の河原。本来49日をかけて来なければいけないここになぜ来てしまったのか?しかも、懐の金を三途の川の渡し賃欲しさの亡者達に取られてしまう。現世に帰れるのか?他、異母兄の乗れん分けに際して、陰陽師に何故か命を狙われる若だんな。その時側で守っていたのはなんと貧乏神だった。最後の章の桜の花の精の話では、周りの人が独立して離れていく中、体が弱くても現世に留まるか、祖母の妖がいる天界で永遠に生きるかの選択を迫られます。かげろうのようにうたかたの生だからかわいそうと同情するのは間違いなのかも。

苦い薬の話で、昔、祖母の煎じ薬の匂いと味がものすごかったのを思い出しました。ただ苦いだけでなく、山菜の数倍のえぐ味。あれを飲むのは逆にストレスになりそうで、若だんなの気持ちが解りました。

* 黄金の王、白銀の王   沢村凛
ファンタジー。内戦の絶えない翠の国で鳳穭族の頭領で現在の王である穭は、ほぼ駆逐した対立する部族の跡継ぎの薫衣を、殺さずに監視を付けて幽閉していた。ある日反乱を企てるものが王子奪還を狙って夜討ちするが返り討ちに。薫衣を殺してしまえとの声の中で、穭は何故か妹を娶わせる。薫衣は黙って「命が助かる為に部族を捨てた」汚名に甘んじていたが。。彼らには歴代王族の墓で話し合った壮大な目標があった。表題は、統治期間に戦乱があった王が黄金、無かった王が白銀の覆いを遺体に掛けられて安置されること。

穭の心配が当たり、大陸から大軍勢が押し寄せたとき・・。彼らの願いは実現されるのか?

*****          *****          *****

5月前半の近況は、折角のGWも3連休しかならなくて。
高速の渋滞や体調もあって泊りでは出かけなかった。

西と東に隣の県まで1回づつドライブ。
新緑や茶畑は綺麗でした。

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あとは、バードウィークの一般公募探鳥会に参加したくらい。
途中で歩くのがしんどくなったが、コースがバス停と反対方向で離脱できず。
終わると同時に最寄のバス停から帰った。やっぱり体調はいまいちだ。
もう暖かいのに、ひざが痛い。

家にいることが多かったので、本は大作もじっくり読めた。

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投稿: 藍色 | 2010年8月 8日 (日) 午後 04時06分

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ニート、フリーター、サラリーマン、コンビニ経営者、学者。 大学時代に気楽につるんでいた仲間は十年を経て、社会での立場を異にしていた。... [続きを読む]

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